発達障害検査(MSPA) ADHDの一例
<症例>数カ月前に新社会人になった男性が、「自分はADHDではないか、診断して欲しい」と来院されました。
そこでどんなことに困っているかを詳しくお伺いすると、以下のことが分かりました。
・お客さんとの約束時間を聞き間違えてしまって、信頼関係を失ってしまった。
・段取りをたてることができず、複数の仕事を同時並行で進められないと指摘された。
・上司から依頼された提出書類の期限を忘れたり、書類を紛失してしまうことがあった。
・すぐにカッとしてしまい、同僚と口論になってしまうことが何度もあった。
ADHDの疑いがあると考え、WAIS-ⅢとMSPAの実施を提案し施行しました。
MSPAの実施に際して、両親から幼少期の聞き取りを行いました。
すると、小学校の通知表には「ケアレスミスが多い」「課題を最後まで終えられないときがある」という記載がみられました。
また両親から「不注意」「多動性」「衝動性」の項目の中で「ブランコの順番が待てない」「他の子とちょっとしたトラブルが多かった」ということなどが聞かれました。
MSPAの評定としても「不注意」「多動性」「衝動性」の項目において、支援が必要な程度の特性があると判断されたことから、本人と相談しながら、認知行動療法と薬物療法を組み合わせて加療していくこととなりました。
このように、MSPAを行うと、発達障害、ADHDとひとくくりにされる疾患の中でも、患者さんごとの特徴や苦手なポイントが見た目にも分かりやすく検出できます。
MSPAの結果を用いると、患者さん本人だけでなく、ご家族や学校にも疾患の説明が行いやすいというメリットもあります。
また、薬物治療を行うかどうかも客観的に判断できます。
ぜひMSPAにご興味のある方は、医師、受付、スタッフにお気軽にご相談ください。