③ゴミ屋敷の実際のケース 〜発達障害+脳出血〜
前回ブログの続きです。↓
僕自身が以前勤務した病院にて経験したケースです。
もともと発達障害と診断されており、自宅にて引きこもり生活を送るも整理整頓が苦手な方が、数年前から「溜め込み」が悪化しました。
自宅が本、雑誌で溢れ出し、直近ではビニール袋に詰まったゴミも捨てられず悪臭が放ち、自宅が「ゴミ屋敷」と化したことに親戚が困りはて、入院希望で転院されました。
まず提携病院にて、高血圧を指摘、CT、MRIを施行したところ微小な脳出血が散在していました。
→発達障害ベース+微小脳出血
もともと発達障害にともなうこだわり、収集癖と整理整頓の難しさがあったところに、
微小脳出血(麻痺など認めず無症候性であったため指摘されなかった)が繰り返し起きたことにより、
生活機能が悪化したと考えられます。
微小脳出血は古いもの(陳旧性)であったため、治療対象とはならず高血圧の対応のみ。
精神病院にまず入院し、規則正しい生活の立て直しと精神症状が安定したのちにグループホームに入所されました。
このようなケースは軽度な溜め込みであれば実際よくあるものですが、実際のところ、来院に至るまでに家族が苦労されることが多いです。
患者さんの受診拒否がとても強いケースでは保健所や役所の相談窓口にぜひ相談されてください。
名駅さこうメンタルクリニック
丹羽亮平