ホーム > クリニックブログ > ③ゴミ屋敷の実際のケース 〜発達障害+脳出血〜

③ゴミ屋敷の実際のケース 〜発達障害+脳出血〜

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

前回ブログの続きです。↓

病的な溜め込み症 〜ゴミ屋敷の住人〜

病的な溜め込みに繋がる疾患

 

僕自身が以前勤務した病院にて経験したケースです。

 

 

 もともと発達障害と診断されており、自宅にて引きこもり生活を送るも整理整頓が苦手な方が、数年前から「溜め込み」が悪化しました。

 

 自宅が本、雑誌で溢れ出し、直近ではビニール袋に詰まったゴミも捨てられず悪臭が放ち、自宅が「ゴミ屋敷」と化したことに親戚が困りはて、入院希望で転院されました。

 

 

 まず提携病院にて、高血圧を指摘、CT、MRIを施行したところ微小な脳出血が散在していました。

 

 

発達障害ベース+微小脳出血

 

 もともと発達障害にともなうこだわり、収集癖と整理整頓の難しさがあったところに、

微小脳出血(麻痺など認めず無症候性であったため指摘されなかった)が繰り返し起きたことにより、

生活機能が悪化したと考えられます。

 

 微小脳出血は古いもの(陳旧性)であったため、治療対象とはならず高血圧の対応のみ。

 

 精神病院にまず入院し、規則正しい生活の立て直しと精神症状が安定したのちにグループホームに入所されました。

 

 

 

 このようなケースは軽度な溜め込みであれば実際よくあるものですが、実際のところ、来院に至るまでに家族が苦労されることが多いです。

 患者さんの受診拒否がとても強いケースでは保健所や役所の相談窓口にぜひ相談されてください。

 

 

 

 

 

 

 

名駅さこうメンタルクリニック

丹羽亮平