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妊娠と抗てんかん薬

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

受診される患者さんには、てんかんをもともとお持ちの方が少なからずいらっしゃいます。

 

抗てんかん薬の内服する上で、大きなトピックの一つは妊娠中の症状のコントロールです。

女性患者さんではしばしば悩ましい問題となります。

 

 

 妊娠中の抗てんかん薬を内服薬をどうするか、基本的には以下のような、発作が起こることのリスクと胎児への影響の兼ね合いになります。

 

○基本的にはハイリスクな発作が起こることの母体・胎児へのリスク

 

 転倒のリスク、全身の強いけいれん(強直間大発作など)

 

○胎児へのリスク

 

 身体への影響(奇形、身体発達の遅れ)

 認知機能への影響(知的発達への影響など)

 

 

 

 胎児リスクを考慮すると、薬剤選択はラモトリギン(LTG ラミクタール)、レベチラセタム(LEV イーケプラ)を選択したいところです。

 しかし、上記薬剤にて、てんかん発作の悪化、薬疹(LTGに認めやすい)、気分症状の悪化(LEVに認めやすい)を認める際は、発作のコントロールを優先して薬剤選択をすることがあります。

 バルプロ酸(デパケン)は極力避けますが絶対NGではない。(500mg以下の少量で、極力単剤にて、組み合わせにも注意)

 

 

 

 患者さんの年齢やライフイベントを考慮して、比較的早めから妊娠と抗てんかん薬に関する情報提供を行い、

薬剤調整を行うことがまず大事です。

 (薬剤選択、できる限り単剤化、少量にてコントロール)

 

 

 また、経口避妊薬を摂取する際には、

 フェニトイン(PHT アレビアチン)、カルバマゼピン(CBZ テグレトール)、フェノバルビタール(PB フェノバール)は避妊薬の効果を減ずる可能性があること。

 また、経口避妊薬はLTGの血中濃度を変化させる可能性があることへの理解も必要と考えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

児童患者さんに好きな本を尋ねると、おしりたんていとサバイバルシリーズの人気さがわかります。

クリニックにもう少し置こうと思います。

 

 

 

自閉スペクトラム症・発達障害・ADHDについて

https://meiekisakomentalclinic.com/blog_category/disease/hattatu/

 

 

名駅さこうメンタルクリニック 院長

丹羽亮平