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不眠症 寝付けない方への対処法

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

 寝る前にいろいろ考え込んでしまい寝付けない方へ。

 患者さんを診察する中で、皆さんが悩まれる入眠困難のもっとも多い理由だと思います。根本的に悩みが解決することが一番ですが、すぐには難しいことが多いです。

 また、睡眠不足になることでいっそう思考の柔軟性が乏しくなり、翌日のネガティブな思考が悪化し悩みが深くなる可能性があります。このことを繰り返すとうつ病、不安障害などを引き起こすきっかけにもなりえます。

 (5日間5時間弱の睡眠を続けると、脳内の扁桃体の働きが増強され、感情ストレス時の不安や抑うつが高じやすくなるものと推定されました。2013年発表。国立精神・神経医療研究センターの研究より。)

 ○入眠前にやってはいけないこと

 まず、眠るためにアルコールを飲む習慣のある方は、アルコールを控えることを勧めます。飲酒により眠りを浅くして、悪い夢を見ることが増え睡眠の質の悪化につながります。

 また、眠くない状態でベッドに入り時間を過ごすことも逆効果になると言われています。眠りが浅くなるそうです。

 スマートフォン、パソコンなど強い光を出すデジタル機器を寝る前に使用することも控えましょう。

 

 ○では、どうしたらいいのでしょうか。(なかなか難しいことも多いのですが、、。)

 ⑴寝る前に習慣をつくるといいです。

例えば、ストレッチ体操であったり、マインドフルネスをしてもいいかもしれません。

 

 ⑵日中、できれば午前中に、しっかり太陽の光をあびましょう。ガラス越しでもいいので、カーテンを開けましょう。脳内でメラトニンとよばれる睡眠ホルモンが分泌され、自然な眠りにつながることができます。

 (逆に寝る前にスマートフォンなどの強い光を目にすると、メラトニンの分泌が阻害され眠気が下がるそうです。)

 

 ⑶もっとも効果的な方法です!!

 寝つけないことに対する治療で大事なことは朝早く起きることです。(実際にはなかなか根気のいる対処法なのですが。)

 寝る時間が遅くなると、睡眠時間を確保しようと起床時間も遅くしがちですが、あえて7時くらいに起床することを数日続けると(そして昼寝をしないこと)、寝付けることが多いようです。

 

 こういった睡眠習慣の改善により入眠障害などの睡眠障害が改善されることが望ましいですが、困難な際に薬物療法など医学的治療が提案されます。

 睡眠についてのお悩みもご相談ください。

軽井沢現代美術館にて。

開催予定の豊田市美術館の奈良美智展が楽しみです。

 

 名駅さこうメンタルクリニック

 院長 丹羽亮平