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脳腸相関 発達障害・ADHDとの関連について

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

 最近、ヨーグルトにはまって毎日食べています。 
  TVや新聞でも話題になっていますが、知れば知るほど、乳酸菌の効能は幅広いですね。
 
  感染予防、癌予防、アレルギー予防・改善、コレステロール低下、美肌等の美容効果…などなど。
 
 
  今年3月に開催された横浜のADHD学会に参加した際、『脳腸相関』について話を伺いました。
 
 
  脳腸相関とは、簡単に言うと、胃腸症状と精神症状に相互関係があるということです。

こころにストレスがあると、自律神経を通じて胃腸症状(腹痛、吐き気など)を引き起こす事があります。(これは比較的知られた現象ですね。)
  そして最近では、逆に胃腸症状が原因となり精神症状(抑うつ、不安、パニック、イライラなど)を引き起こすことがあるとわかってきました。
(極端な話、腸内細菌叢など胃腸環境を改善すると精神症状もよくなるかも!ということです。)
 
 
   脳腸相関について関連のある典型的な疾患では、不安障害や神経症、過敏性腸症候群などがありますが、発達障害(自閉症スペクトラム)やADHDも強い相関関係を認める可能性を学会にて指摘されていました。
   確かに外来診療でも、発達障害で受診される患者さんに、強固な便秘などの胃腸症状を認めることが多いように実感します。

 乳幼児期の腸内細菌の発達が将来的な精神的健康に大きな影響を与える可能性もあるそうです。
   また、妊婦と新生児の腸内環境は類似するとの指摘もあります。

(可能性として、、、母親が腸内環境を良好に保つ→胎児の腸内環境も良好になる→出産後の児童の腸内環境も良好になる→児童ひいては成人期の精神状態も良好になる……ということも、まだ推測の域ですが挙げられています。)


   妊娠期〜乳幼児期〜成人期、全てを通して腸内環境を良好に維持することが、心身ともに良い影響を持つのですね。

また、近年新しい治療法として、クローン病や潰瘍性大腸炎などの難治性炎症性腸疾患等に対して、健康な人の便中の腸内細菌を患者さんに大腸内視鏡を使い注入する治療法、『糞便移植』が広まりつつあります。(まだ保険治療外です。)
 
   今後、こういった治療を参考に、精神疾患に対しても薬物治療以外に新しいアプローチの治療法が見つかることを祈っております。
 
   それと、発酵食品を食べましょう!!
   ちなみに自分は、固めのギリシャヨーグルトのプレーンが好みです(^-^)

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横浜のホテルより 
 
名駅さこうメンタルクリニック 
院長    丹羽亮平