ADHDの治療について ADHD treatment
注意欠如多動症(ADHD)の内服薬について、ご相談が多いため、こちらでまとめた説明を載せた文書を上げさせて頂きます。
そもそも、精神科・心療内科における治療は、薬物治療と非薬物治療に分けられます。
ADHDの治療について
非薬物療法(心理カウンセリング、作業療法、環境調整:家族が患者さんへの対応を変える、仕事や学校などの環境を変える、など。)だけでは症状の改善に限界があったり、症状のお困りが非常に強い時には、薬物療法を提案いたします。(薬物療法にて治療効果の得られる症状の場合に対してです。)
ADHDは生まれ持ったもともとの特性と捉え、治療改善が難しいと思われている方は多いですが、薬物療法による治療効果は高く、改善の期待ができる症状群です。
まず、ADHD症状に対してはじめて薬物療法を行う際は、以下の3剤が考慮されます。
薬ごとに異なる効果や副作用を伴うため、年齢や症状を見ながら検討します。
- ストラテラ
- コンサータ
- インチュニブ
また、この3剤を使用しても、十分な効果の得られない方 or/and 副作用など何かしらの理由で上記薬を使えない方には、ビバンセを考慮します。
- コンサータ(メチルフェニデート):中枢神経刺激薬。効果はおよそ12時間弱。
不注意、多動・衝動性の全ての症状に効果が期待され、インチュニブ、ストラテラに比較すると、服用後すぐに効き、効果も強いです。 - インチュニブ(グアンファシン):α2Aアドレナリン受容体作動薬、非中枢刺激薬。
多動と衝動性と感情に対する効果が期待できる。24時間効果をもつ。 - ストラテラ(アトモキセチン):選択的ノルアドレナリン再取込阻害薬、非中枢性刺激薬。
不注意、多動、衝動性の全ての症状を24時間、マイルドに改善します。 - ビバンセ(リスデキサンフェタミン):中枢神経刺激薬。6~17歳の小児のみ承認。
不注意、多動・衝動性の全ての症状に効果が期待され、基本的に他の3剤よりも強いと考えられています。他の治療薬で効果が不十分であった場合の選択肢となります。