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双極性障害と甲状腺機能亢進症、リチウム治療について

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
日本児童青年精神医学会 認定専門医
日本児童青年精神医学会 認定指導医
日本児童青年精神医学会 認定専門医研修施設
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医
日本外来精神医学会 認定専門医
名古屋大学病院精神科・親と子どもの心療科・小児科関連施設群認定 連携施設A

 

甲状腺機能亢進と双極性感情障害 広末涼子さんの発表をうけて

の続きになります。

 

 

甲状腺機能亢進症と双極性感情障害の併発について

 

 双極性障害の治療では、気分安定薬と抗精神病薬が主に使われますが、非常に重要な薬剤として炭酸リチウムがあります。

 

 炭酸リチウムの効果は以下になります。

 

  • 気分の波を抑える:躁状態(気分の高揚)を抑える作用が強く、うつ状態の改善にも一定の効果があります。

  • 再発予防:双極性障害の患者さんは気分の波を繰り返すことが多いですが、リチウムは再発を防ぐ効果が認められています。

  • 衝動性の抑制:自殺リスクを低下させる作用があるとされます。

 

 

 しかしリチウム製剤の使用について問題となるのが、

 副作用として甲状腺機能の低下(=甲状腺機能低下症)を引き起こすことがあるという点です。

 

 リチウムは甲状腺ホルモンの材料となるヨウ素の取り込みを抑制することヨウ素からの甲状腺ホルモンの合成を低下させることで甲状腺ホルモンの不足に繋がる機序があります。

 また、甲状腺ホルモンの不足は、下垂体からのTSH(甲状腺刺激ホルモン)の分泌増加を引き起こします。高いTSHレベルは、長期的には甲状腺の過形成(甲状腺腫)や、さらに進むと低下症(甲状腺機能低下症)へとつながるリスクがあります。

  

 

 今回のような甲状腺機能亢進症のような甲状腺ホルモンが過剰なケースでは、むしろこの甲状腺ホルモンを低下させる副作用が望ましい方向に作用する可能性があるともいわれており、

 今回の状況では、治療選択肢の一つとしてリチウムが挙がってくることは十分に考えられると思います。

 

 ただし一方で、リチウムの投与が甲状腺炎、甲状腺腫を引き起こすリスクも報告されており、安易な投与は禁物です。

(一過性の甲状腺機能亢進状態になることがある)

 したがって、甲状腺機能やリチウム血中濃度の定期的な血液検査によるモニタリングが極めて重要になります。

 

 

 広末さんには心身の健康の回復を最優先にされて、とにかくゆっくり休んでいただきたいです。

 

次回ブログ↓

芸能人や芸術家に双極性障害の方が多いこと 

 

 ダウンダウン当院も取材を受けた記事です。

スマホ依存について、東海テレビが非常によく取材されて、まとめてくださいました。

良かったら見てください。

 

 

 

名駅さこうメンタルクリニック

院長 丹羽亮平

 

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