ホーム > クリニックブログ > 大豆に含まれるトリプトファン 抗うつ効果を得るにはどのくらい食べる必要がある?

大豆に含まれるトリプトファン 抗うつ効果を得るにはどのくらい食べる必要がある?

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

 

 

ミニマル/コンセプチュアル ドロテ&コンラート・フィッシャーと1960-70年代美術展

愛知県美術館にて

 

 

 

2月のイベントでは節分がありますが、節分といえば豆まき、豆まきといえば大豆、

 

大豆といえば、トリプトファンを通常の食生活の中で摂取しやすい筆頭の食材です!!

 

 

 

他にも、大豆には、以下のものが含まれます。

 

 

・チロシン、フェルアラミン

 チロシンとフェルアラミンは体内にて、意欲向上や精神・身体を適切にコントロールする作用があるドーパミン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質に生成されます。

・ イソフラボン

 女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすることで知られ、精神の安定効果が期待されます。

大豆は非常に精神症状のみならず健康全般に非常に良い食品といえます。

 

 

 しかし、大豆や大豆食品、大豆関連のサプリメントを過量に摂取すると、精神症状(例えば、「うつ病」「不安障害」等)が改善することを期待される方がいらっしゃいますが、そこまでの効果とは言えません。

 

大豆関連の食事を摂取することによる、うつ病、不安障害、強迫性障害への治療効果のエビデンスはありません。

 

 

 

ただ、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニンなどが不足すると、抑うつ症状や不安症状が出現することが予想されます

 

⇨これらの原料になりうる食材を必要量を食べることを心がけましょう。

 

 

トリプトファンの1日摂取量は体重あたり2〜3mgと換算されます。

体重50kgの方なら、トリプトファン100〜150mgが1日に必要な量です。

 

 

 

100gあたりのトリプトファン含有量は、(日本食品標準成分表2015年)

木綿豆腐  98mg   高野豆腐 750mg

白米    82mg

パスタ  140mg

牛乳    41mg

 

等の記載があります。

 

健康的な食事を摂っていれば、1日摂取量はクリアできそうなことがわかります。

 

 

 

 

ちなみに、国内外で、トリプトファンにて抗うつ効果、催眠効果を説明しているサプリメントがありますが、

 

含有量が1日量の設定が500〜1000mg以上であり、通常の食事を大きく上回る量が含まれます。

 

 

この量のトリプトファンを摂取すると、精神面に対する作用がデータとして得られるのでしょうか?

 

また、トリプトファンにも過剰摂取に伴う有害事象の可能性もあります。

 

次回ブログにて記載いたします。

 

 

名駅さこうメンタルクリニック

院長 丹羽亮平

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「院長 資格・所属学会」

日本精神神経学会認定 精神科専門医

子どものこころ専門医日本児童青年精神医学会 認定医

日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医

厚生労働省 精神保健指定医日本産業ストレス学会臨床研修指導医

 

〒451-0052

愛知県名古屋市西区栄生2-7-5 キョーワ調剤薬局2F

電話 : 052-551-7717

FAX : 052-551-7727