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自殺率の高い日本 宗教の影響など

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
子どものこころ専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医

日本はWHOの統計、OECDの調査などさまざまなデータをみても世界的に自殺率の高い方の国です。

 

 

 経済的な要因、社会状況などありますが、基本的な傾向として緯度の高い国(年間の日照時間の短い国:ロシア、東ヨーロッパ、韓国、日本など)が自殺率が高い傾向にあります。

 

 

 他に、宗教の影響が大きくキリスト教、イスラム教では自殺が禁止されているため、これら信者の多い国は自殺率が低いです。

 

 

 日本は古くから仏教が発展した国ですが、仏教その他宗教を含めて、自身の信条について特定のものを意識されない方が、現在では多いと思います。

 

 しかし、考え方の傾向として、仏教や儒教の影響は色濃くあります。

 

 「自己責任」という言葉は、日本ではしばしば「失敗が起きた時は自分が責任を持つ」というネガティブなニュアンスで使われることが多いですが、欧米では、「未来に起こることは自分次第である。だから現在をがんばろう。」というポジティブなニュアンスがあるそうです。

 

 仏教の言葉では「自業自得」「因果応報」などあり、同様の考え方は儒教でもみられます。

 

 しかし、失敗に対して自身の非が責められる自責的な思想、というのはなかなか苦しいものです。

 

 例えば現在でしたら、「何か悪いことがあればコロナ禍のせいなんだ」といった他罰的な発想がもっと浸透した方が気持ちとしては楽だと思います。

 

自殺対策支援センターライフリンクより抜粋

 

上記の表においても、

悪いことがあっても自責的になりすぎず、早めに他者への相談をお願いしたいです。

 

 

 

 

名駅さこうメンタルクリニック

丹羽亮平