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うつ病 clinical depression

院長 丹羽 亮平 先生

名駅さこうメンタルクリニック
 院長 丹羽亮平

日本精神神経学会認定 精神科専門医
日本児童青年精神医学会 認定医
日本精神神経学会認定 精神科専門医制度指導医
厚生労働省 精神保健指定医
子どものこころ専門医機構 認定指導医
名古屋大学病院精神科・親と子どもの心療科
・小児科関連施設群認定 連携施設A

うつ病について

症状として、以下のような症状が2週間くらいずっと続くときは疑う目安になります。

気分の症状

  • 憂うつ、気分が沈む、不安である、イライラする、集中力がない
  • 趣味や好きなこともやりたくない
  • 細かいことが気になる
  • 罪悪感を感じて自分を責める
  • 物事を悪い方へ考える
  • 死にたくなる
  • 眠れない

体に出る症状

  • 食欲がない
  • 体がだるい
  • 性欲がない
  • 全身の不調(頭痛、肩こり、動悸、胃の不快感、便秘がち、めまい、口が渇く)

うつ病の治療について

治療の選択肢

初めてうつ病になられた患者さんに対する治療の提案

繰り返すうつ病の患者さんに対する治療の提案


「うつ病」の治療は、症状に至った原因と、症状そのものを考えることがとても大事です。


まずストレスの原因を無くすこと、減らすことが大事です。

過度な仕事のストレスや家庭の問題、様々な人間関係をきっかけにうつ病に至る患者さんが多いです。

  • お話をしっかり伺って、原因である環境の要因が強い際は環境調節を促します。
    (例えば、仕事の残業時間を減らすこと、夜勤を禁止とすること、など)
  • また、環境がどうしても変えられない事情である時
    (例えば、同居している夫や義母との折り合いが悪いが別居は困難である、など)
  • 患者さん自身が苦手な状況が多い時
    (ネガティブに考えやすく人間関係でうまくいかないことが多い、様々な職場で同じようなトラブルになる)
    心理療法を通して、感情との付き合い方、対人関係におけるコツを学んで頂くと、
    日常生活が穏やかに過ごしやすくなることが多いです。

心も体もへとへとに疲れきってとてもお辛い状況では

心も体もへとへとに疲れきってとてもお辛い状況ではまずしっかり休養しましょう。
そして、そのうつ症状は脳が疲労して働きが低下していることが原因かもしれません。 その時は抗うつ薬の内服をお勧めします。 SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)、SNRI(セロトニンノルアドレナリン再取り込み阻害薬)、など多種の薬の中から話し合いながら決めます。

仕事の過労とストレスが原因

仕事の過労とストレスが原因しっかり休養して、抗うつ薬の内服を行います。

再発予防のため、仕事復帰をする際は職場の環境調節をします。 状況により心理療法の提案を行います。

「憂うつ、気分の落ち込み」に対して、うつ病の診断が該当しないケースor抗うつ薬の治療が向かないケース

①躁うつ病、統合失調症など、他の疾患に該当するケースがあります。

以前、躁うつ病はうつ病の一種と考えられていた時もありますが、現在は全く別の疾患と認識されています。
躁うつ病統合失調症

②現在の状況が「うつ病の症状」を呈していても、それが直接的な薬物の影響(抗がん剤など)であったり、 身体疾患(甲状腺機能低下症、脳の外傷)の影響である可能性があります。

治療は、原因となる薬物を中止・変更、原因となる疾患の治療が優先されますが、状況により抗うつ薬も使われます。

③うつ病の他の疾患が並存していることも多いです。

③うつ病の他の疾患が並存していることも多いです。 不安障害、パニック障害、強迫性障害、認知症、発達障害など他の疾患のベースが存在するところに、 なんらかのストレスを契機にうつ病を発症することが多いです。 その際、患者さんの状態を客観的に理解するために心理検査をお願いすることもあります。

治療は、患者さんそれぞれの状況に合わせて対応します。 抗うつ薬による治療が優先されることが多いですが、心理療法や訪問看護、TMSなどを複合的に提案させていただきます。



例)パニック障害の既往があり、うつ病を併発

①しっかり休養して、抗うつ薬の内服を行います。
(SSRIなどの抗うつ薬はパニック障害にも治療効果があります。)
②うつ症状が軽快した段階で、可能なら、うつ病の再発予防とパニック障害の治療も兼ねて心理療法を導入します。

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