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うつ磁気刺激療法(TMS) tms

経頭蓋磁気刺激(TMS)とは?

磁気を用いて脳の特定部分を活性化することで脳血流を増加させ、脳の機能の改善を図る科学的根拠のある治療です。 欧米では認可され広く活用されています。薬物治療に比較して副作用が少なく安全性の高いことが特徴です。

※電気けいれん療法(ECT)とは全く別の治療です。TMSは電気けいれん療法と比較しても体への負担がずっと少ない治療です。

メリット

副作用が少ない。治療期間が2〜6週間で完結し、その後の効果の持続が長い。
難治性うつ病にも効果的。内服薬の減量・中止も可能。

デメリット

保険外診療のため自費になる。
治療期間中(約2~6週間)は週3~5回の通院が必要。


【副作用】
① 頻度の高い副作用:
頭皮痛・刺激痛(30%前後)
顔面の不快感(30%前後)
頸部 痛・肩こり(10%前後)
頭痛(10%未満)


ほとんどが刺激中に限定した副作用で、当院では患者さんに施行中に確認しながら刺激強度を調節し、刺激痛が起こらないように対応しております。また、刺激の慣れによって、上記症状の軽減されます。
しかし、刺激が終わってからも違和感が残り、頭痛を起きることもあります。


② 重篤な副作用:けいれん発作(0.1%未満)、失神(頻度不明)。

頻度は高くありませんが、重症な副作用としてけいれん発作が挙げられます。
この出現率は、抗うつ薬によるけいれん誘発の危険率(0.1~0.6%)と比較しても rTMS 療法が特別にけいれん誘発のリスクが高い訳ではありませんが、つねに注意して行います。
(けいれんのリスクの高い方は施行をお断りさせていただいております。)


他に、

  • 施行中の音に対して、聴力を保護するために耳栓を着用して頂きます。
  • TMSによる躁転のリスクは1%弱と報告されています。

このような方におすすめします

  • うつがなかなか治らない。再発を繰り返している。
  • 薬には抵抗感がある。
  • 薬や他の治療が効かない、あるいは不十分。
  • 薬で副作用が出やすい。
  • うつのメカニズムに即した治療を望む。

当院でのTMSによる治療について

1回30分ほどの治療を週2~5回、4~6週程度継続することが基本です。
症状の改善に合わせて回数、期間などは決定され、個人差があります。
※症状の改善が早く、約2週間で効果がみられる例も少なくありません。

治療費

1回:11,000円(税込)

使用する機械

磁気刺激装置 MagPro 磁気刺激装置 MagPro
※詳細:Inter Reha 「磁気刺激装置 マグプロ」

標準的な治療方法

左背外側前頭前野への高頻度刺激。1セッション:約30分

TMSを受けられない方

  • ペースメーカーや人工内耳(補聴器)、頭蓋内クリップ、インプラント等の金属製医療機器が体内に埋め込まれている方
  • てんかん、またはてんかん性発作の既往がある方
  • 重篤な身体疾患に罹患している方
  • 妊娠中またはその可能性のある方

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